アオツヅラフジ:野山の宝石、憧れの青い実を夢見て

アオツヅラフジはツヅラフジ科アオツヅラフジ属に属し、日本全国の山野に自生する落葉性のつる植物です。
雌雄異株(しゆういしゅ)の多年生植物として知られており、名前の「ツヅラ」は、この蔓で葛籠(つづら、衣類などを入れる籠)を編んでいたことに由来しています。
生命力が旺盛で日本全国に広く分布し、山地の林縁や道端、藪などで他の樹木に絡みついて生長する姿が見られます。

運命の分かれ道になる、小さな黄色い星

アオツヅラフジの小さな黄色い花

アオツヅラフジの花:7月
東北での開花期は7月から8月で、雌雄異株のため雄花と雌花は別々の株につきます。実生からだと、雌株と雄株が決まってしまうところなので、ここが運命の分かれ道になります。
薄い黄色で直径3〜4mm程度と非常に小さく地味で目立ちませんが、垂れ下がるように多数咲き、よく観察すると整った美しい構造をしています。

緑のカーテンになるかな?形が変化する不思議な葉

アオツヅラフジの葉

アオツヅラフジの葉
アオツヅラフジの葉
葉は互生で長さ4〜10cmの広卵形から三角状卵形をしており先端は尖ります。
しばしば「浅く3裂し全縁の葉と裂ける葉が混在する」という記述を見かけますが、まだ若い株のせいか、それに近いものが出る程度です。
葉の表面は濃緑色で無毛、裏面はやや白味を帯びた緑色をしており、質感はやや薄く柔らかい感じで秋には黄色く色づいて落葉します。

いつか庭でもお目にかかりたい、幻の青い実

アオツヅラフジの実

アオツヅラフジの実:9月
果実は直径6〜8mm程度の球形で、9月から11月頃に緑から藍色に色づき房状に垂れ下がります。
表面には白い粉(果粉)を帯びてブルーベリーのような美味しそうな外観になります。
この美しい藍色の実は目を引きますが、アルカロイドを含むため有毒で中毒症状を起こす危険があり食用にはできません。

まるでアンモナイト!種の中に潜む化石

アオツヅラフジの不思議な形の種

アオツヅラフジの種:11 月に播種
種子は実の中に1個入っており非常に特徴的な形をしています。扁平で直径5〜6mm程度で厚さは2mm程度の円盤状で、表面に巻貝のような美しい螺旋状の隆起紋様があります。
色は褐色から黒褐色で非常に硬い殻に覆われており、アンモナイトの化石を思わせるような美しい紋様は、自然の造形美として植物愛好家の間で知られており、この形態はツヅラフジ科植物の大きな特徴の一つです。

当たるも八卦の、実生栽培の経年変化

おい、おい、ホントに育つのかい?大丈夫なのかい? – こたえは数年後だね
種を蒔いてからどう育ったのか? – 実際の経験談のまとめ

1年目のアオツヅラフジ

アオツヅラフジの発芽
アオツヅラフジの発芽:翌年の5月に発芽
アオツヅラフジの発芽
アオツヅラフジの発芽:5月
晩秋に採取した実から種を取り出し、果肉を洗ってすぐに赤玉土小粒へ採り蒔きしました。
翌年5月の暖かい日に、ひょっこりと芽を出しました。

2年目のアオツヅラフジ

2年目のアオツヅラフジ
2年目のアオツヅラフジ:5月
ツル植物らしく元気なツルが伸びてきました。
根がしっかりし、まだ細いですが1メートル近くツルが伸びて絡まっています。
冬には地上部が少し枯れましたが、北国の寒風にも負けず根は無事でした。

3年目のアオツヅラフジ

3年目のアオツヅラフジ
3年目のアオツヅラフジ:5月
葉が茂りツルも順調に伸びてきましたが、まだ花は咲きません。
「焦らなくていいよ」と見守りたいところですが、本当は雄・雌を確かめたかった。

4年目のアオツヅラフジ

4年目のアオツヅラフジの蕾
4年目のアオツヅラフジの蕾:8月
4年目のアオツヅラフジの花
4年目のアオツヅラフジの花:8月
4年目の8月に蕾が出て、ついに念願の花が咲きました。が…、咲いたのは雄花のみでした。
ここで「君は男の子だったんだね」という事実が判明しました。が…、咲いてないのがもう1本あるもんね。乞うご期待。:-)

数年間育ててみた感想

アオツヅラフジを育ててみて、落葉性なので葉が痛む心配もなく「寒さには強い」ということは分かりました。
ただ、ツル植物は、夏にドンドン伸びるツルを管理できるかどうかが、付き合えるか否かの分かれ道ですね。
雌雄異株植物の、雄・雌の判別がつかないドキドキ感と外れた時の脱力感は結構大きいです。
「実がならなくても造形美を楽しめる」と言える奉仕の精神が大切かもね。:-)

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