アオキ:北国の雪に映える常緑の精鋭

アオキはアオキ科アオキ属で、雌雄異株(しゆういしゅ)の常緑低木です。4月には紫褐色の花を咲かせ、冬には鮮やかな赤い実をつけます。
日本古来の植物であるアオキは、日陰でも育つ非常に丈夫な性質を持っています。どこにでもある地味な木だと思われがちですが、暖かい地方とは違い、冬に彩りがなくなる東北の庭において、一年中ずっと緑を保つという存在は、実はとても貴重な価値があるのです。
名前の通り枝も葉も青々としており、建物の影など他の植物を諦めてしまうような場所でも根付いてくれる、北国の庭作りの強い味方です。

目立たないけれど、確かな春の訪れ

アオキの雌花
アオキの雌花(4月)
アオキの雄花
アオキの雄花(4月)
アオキの花は、赤紫色の小さな花が円錐状に集まって咲きます。存在感はあるものの、日陰にひっそりと咲くことが多いため、あまり目立ちません。
大きな特徴は、雄花が咲く「雄株」と雌花が咲く「雌株」があること。
花弁は共に4枚ですが、雄花は黄色い葯(やく)が目立ち、雌花は中央の雌しべがしっかり見えることで見分けられます。

冬の庭で「生きている」と実感させてくれる緑

アオキの葉(4月)
アオキの葉(4月)
アオキの葉:白い斑入り
アオキの葉(11 月)

葉に白い斑が入るものなど様々な品種がある。

厚みがあってツヤツヤした葉は、茶色と白の冬枯れの世界になった時、雪の中から顔を出して鮮やかな緑を見せてくれます。その姿を見ると、厳しい寒さの中でも「生きているんだな」という実感が伝わってきます。
ただし、北国特有の悩みもあります。乾燥した寒風に当たると、葉の縁がボロボロに傷んでしまうのです。
一方で、雪の下にすっぽり隠れる場所であれば、春には驚くほど綺麗な緑を保っています。環境選びの大切さを教えてくれる葉でもあります。

冬の空を明るくする、赤いご馳走

アオキの赤い実
アオキの実(4月)
雌の木は、秋から翌春にかけて真っ赤な実をつけます。どんよりしがちな北国の冬空の下、ポツンと赤い実があるだけで庭がパッと明るくなります。
実生から育てると、花が咲くまで性別が分かりません。実が見たくても数年間は「どちらかな?」と待ち続ける必要がありますが、厳しい冬を何度も乗り越えた末に初めて実がついた時の感動は一入(ひとしお)です。

コーヒー豆のような一粒からスタート

アオキの種:4月に播種

アオキの種:4月に播種 
実を剥くと中から大きな種が出てきます。ヒヨドリが真冬に仕方なく食べているような果肉の少ない種ですが、これが生命の塊です。
春先に果肉をきれいに洗い流し、すぐに赤玉土小粒へ「採り蒔き」にしました。

当たるも八卦の、実生栽培の経年変化

おい、おい、ホントに育つのかい?大丈夫なのかい? – こたえは数年後だね
種を蒔いてからどう育ったのか? – 実際の経験談のまとめ

1年目のアオキ

アオキの発芽:翌年の3月

アオキの発芽:翌年の3月に発芽
アオキの発芽:本葉が出た2ヶ月目
1年目のアオキ:5月
蒔いてすぐには芽は出ませんでした。初冬に土の中で根を出し、厳しい冬を越して翌春にようやく芽が顔を出しました。1年目は本葉が数枚出る程度で 5cmほどの小さな姿です。

2年目のアオキ

2年目のアオキ

2年目のアオキ:4月
葉の枚数が増え、アオキらしい光沢が出てきました。まだまだ小さいですが、一人前に冬の寒風に耐えて生き続ける強さを見せ始めます。

3年目のアオキ

3年目のアオキ:5月

3年目のアオキ:5月
根がしっかり張り、成長スピードが上がります。脇芽が出て枝分かれし始め、ようやく「小さな木」という風格になってきました。

数年間育ててみた感想

実際に育てて分かったのは、日陰には強いけれど「風には意外と繊細」だということ。耐寒性は十分だが冬の乾燥した寒風は天敵です。
また、性別が分からないため「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の精神で、たくさん育てる必要があります。そして何より……「メチャクチャ育ちが遅い!」。:-)

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